2009年11月29日

ヘヴン@川上三映子

昨年の芥川賞受賞作家、受賞後初となる長編小説、
大絶賛されている帯に目が留まり、購入、読んでみました。

基本的に芥川賞作品の文章、内容とも、独特な癖があるように感じ・・・
少し苦手ですが、これは読みやすいと思います。

圧倒的な2つの強さの中で迷い続ける(果たして言葉はこれが適切か??)
主人公、苛められる少年を軸に話が展開します。
苛める側の一人、百瀬と、もう一人の苛められる側、コジマ(女子)、
どちらもが現代の縮図のような物事の捉え方、思想を強く持っています。

少年は「斜視」だから、人と違うから、を苛められる理由と考える。
百瀬は少年を対象に選ぶことに理由はなく、また「人として・・・」の
観点を持っていない。罪悪感の類、もちろん全くない。
コジマは苛める側を弱いからだと捉えている。
それを丸ごと受け入れられる「選ばれし自分」、そう信じることで強くある。

この小説にいわゆる大人はおらず、全て同級生の中で進んでいきます。
物事を決して間違って捉えてはいないものの、どれもが一側面のみ。
本当に大切なことは一面では現れてこないはず。
多面的に見ることこそが人間らしくあるのではないかと思います。
大人が見せる現実はもう少し気をつけなければいけない。

ただ若ければ若いほど、いや大人だって、理想と現実、全部ひっくるめて
悩みなんて尽きることはないのではないか。
強者弱者で成り立っている。確かに理不尽な事だらけかもしれないが・・・
うんと悩み、その中で自身にできること、すべきことを探すしかない。
その過程に誰かを巻き込むのはおかしい。だから苛めは絶対にダメ。

ダメなものはダメ。理由なんてない。
この種の話を見聞き、また読むたびに強く思います。

相も変わらず、少しもまとまらず・・・
重いテーマを扱っているにもかかわらず、がーっと読みすぎの感あり。
再読します。
本の詳細

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
タグ:川上三映子
posted by honeybeeeee at 09:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月28日

恋人たち@野中柊

今日の東京は暖かな一日でした。
で、立ち寄った図書館でさらっと1冊読んできました。
初読の作家さん、柊さんのお名前に惹かれて。

画家の彼女と広告マンで年上の彼、そして事故で視力を失った彼女と
過去に色々ありつつも10年支えている彼、2組の恋人たちの話です。
ゆっくりふんわりとした文章を綴り、女性作家らしい雰囲気の作品。

それぞれ彼女達は恋人を大切に思っています。
とはいえ「かけがえのない」ほどの感情には気付いていません。
偶然、いや必然?で出会った2組がそれに気付いていく過程が描かれます。

悩んだり考えたり・・・時間が過ぎれば過ぎるほど、本来は簡単なことが
難しくなっていきます。
だからこそ、シンプルに、まず手足を動かせばいい。それだけ。
年上の彼の行動スタンスがよいです。そうなんだよね、と思います。
それが時に困難だと、また「悩み考えて」しまうだけで。

いかにも、な設定ではあるものの、悪くはない印象です。
全般優しく、時に甘く切なく、こういうのもたまにはいいかな。
大切な関係に気付いた盲目の彼女はどうなっていくのだろう。
本の詳細

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
タグ:野中柊
posted by honeybeeeee at 18:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月27日

メダカはどこへ@河野実

初めて読むノンフィクション作家の本です。

子供に「図書館で適当に何か借りてきて」と頼んだところ、
全く知らない作者の本ばかりを4冊・・・これらを読んでいます。
自身で選ぶ本はどうしても似たようなテイストとなりがち、
目先が変わり、とても面白く感じます。

長野は信州、伊那の山村に生まれた著者の語る昔の日々、
自然と上手く共生していた時代の回顧とともに、現代のあり方、
変化の様子と未来への懸念が書かれています。
スローライフ、数年前時点での海外の方向転換にも触れています。

昔、とはいえほんの数十年前の山村、普通の生活が、随分今と
異なっていることに驚きます。都会とは異なる、かも知れません。
四季を味わい、楽しみ、その中で得るもののみの無理のない、
自然に優しい生活、当たり前だったことはいつなくなったんだろう?
虫も鳥も植物も、自身の子供の頃なら当たり前、のはずが
久しく見た記憶のないものがあります。

以前、虫の種類が近年著しく変化していることから、生態系の崩れに
警鐘を鳴らしている本を読んだことがあります。
が、虫に限らず、今日本ではメダカも絶滅危惧機種の一つなのだそう。
川の中のメダカの学校・・・既に見つけることが難しいのだと。
そのほかにも色々な生物がこの世の中から消えそうです。

いつでも何でも手に入り、心から貧しいと感じたこともなく
便利な現状は、何か歯車が狂い続けている・・・
年を取ってきたのかな、なんて考えつつも、未来は明るいのかなあ?
と漠然とですが、不安に感じることがあります。

一度失ったものを元に戻すことは難しく、むしろ戻らないことばかり、
ですが、少なくとも現状は大切に守りたいとしみじみ思います。
何かが変わる、その中の一つ、人間だけがそのままであることは
あり得ない。それはとても難しいはずだから。
本の詳細

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
久しぶりにブログを書くも・・・さっぱりまとまらず。
タグ:河野実
posted by honeybeeeee at 21:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。